ひさびさのエントリーになってしまいました! 久しぶりの投稿は先日取材先で出会ったスーパーカーについてです。3月31日に催されたヒストリックカーの祭典「スプレンドーレ東京」でのひとコマ。なんと、出場車両の中に、イズデラ・インペレーター108iという非常に珍しいミドシップ・スーパースポーツがありました。イズデラは、メルセデスのミドシップ・スポーツカーのスタディであるCW311の開発に携わったエバハルト・シュルツというエンジニアが、1981年に設立した自動車会社です。このインペレータ108iは1984年に発表されたモデルで、翌年にはオープンルーフのスパイダーモデルも発表されています。搭載エンジンにいくつかのバリエーションがあったことが公式サイトに記述されていますが、メルセデス製のV8(5リッター/5.6リッター)、AMG製V8(5.6リッター/6リッター)などがあったようです。シュルツ氏はメルセデスのスタディモデルに深い関わりを持っていたことから、イズデラ社製の生産車両にもメルセデス製のパワートレインや部品を主とした成り立ちとなっているようです。
さてメルセデス・ベンツが公道エントリーを目指したミドシップ・エンジニアリングと言えば、1969年に発表されたC111が大変有名です。1960年代から1970代と言えば、公道上にミウラやカウンタック、ディーノ、365GT/4 BBといった華やかなミドシップ・スポーツカーたちが次々と降り立っていった頃。時を同じく開発が進められたメルセデスのC111は、ドイツらしくエンジニアリング先行型でプロトモデルを次々と発表しますが、最終的に市販モデルとして実を結ぶことはありませんでした。
イズデラ・インペレーターというクルマは、メルセデスが当時燃やしていた公道スーパースポーツへの野心を今も灯しているかのような佇まいで、とてつもなく圧倒されました。ちなみにスプレンドーレ東京の取材レポートは、先月発売されたカー・マガジン420号でレポートしています。(ちなみにこのイズデラは当日出走予定だった車両が故障してしまったための代理参加車両とのことで、ドライバーの方はラリーの開始早々に、戦線から引き上げられてしまいました。そのため写真はこの2枚だけです)