プジョーの新型Bセグモデル「208」が20日、国内デビューを飾った。208は、プジョー・ブランドにおける販売台数中約4割をしめるBセグメントクラス以下のラインナップにおける最も重要なモデル。しかしながら、従来までの”20X“シリーズとは全く異なるアプローチとともに、完全なるリニューアルが実施されたという。

 完全なる新しさを感じさせる特徴のひとつがそのデザインだ。2010年、プジョーの次世代モビリティの象徴的存在として発表された「SR1」のデザインコンセプトに端を発する新世代デザインが採用されたことで、新たな流れが生み出された。

 75mmもオーバーハングが切り詰められたフロントにデザインされた「フローティンググリル」と呼ばれる新型グリル、LEDポジションランプを備えたコンパクトなヘッドランプ、そしてメタルパネルに「PEUGEOT」の文字が刻まれたプレートと対をなす新エンブレムからなるマスクは、プジョーブランドの新しいアイデンティティを表現する。引き続き”フェリーヌ・デザイン“を名乗るとは言え、先代までのアプローチから大きく舵がきられたことが一目瞭然だ。

 リヤに配置されるコンビランプは、LEDライトガイドを交え3種類の光を組み合わせた演出がなされている。ボディのサイドパネルとリヤパネルをつなぐようにデザインされており、サイド、リヤという2つの表情をまとめる役割も担う。

「ポピュラーとカリスマ、その二面性を与えた」というが、”新しいプジョーらしさ“を表現するという意味でのこのデザインインパクトは確かに強烈だった。

 さて新型208は、従来の207シリーズと比較すると全長で85mm、全幅で10mm小型化されるなど、スリーサイズは全長3960mm×全幅1740mm×全高1470mmとなった。つまりボディサイズをよりコンパクトな方向へと見直されている。さらに驚くことに最軽量モデルの車重はわずか1160kg。207に対しおよそ100kgものボディ重量軽量化を果たしているのだ。

 ボディの小型化、そして環境性能と走りに影響を与える大胆な軽量化を実施しながら、リヤシートニースペースを50mm拡大するとともにラゲッジ容量についても15リッター拡大。サイズの大胆な見直しの一方、スペースユーティリティは”進化“させている。

 デザインにおけるあらたなアイデンティティの確立とともに、”ボディのコンパクト化、スペースの有効化“も、新型208に掲げられたイノベーションの象徴的パートである。

<後編に続く>