今年も東京オートサロンに行ってきました。オフィシャルガイドブック取材の仕事もあり13日金曜の朝幕張メッセ入り→日中取材→深夜会場撮影→14日の早朝メッセを後にする……という結構ハードなスケジュール。14日未明に全ての取材を終えると、早朝6時頃から駐車場入りして開場に備えるアツい来場者さんたちを横目に帰路につくという……(苦笑)。そんな中でもカスタムシーンの見本市、オートサロンの雰囲気を楽しんでくる事ができました。

 初日の朝イチ、強烈な吸引力で僕の気持ちを掴んだ1台が今年からWRCに復帰参戦するトヨタのマシン「ヤリスWRC」でした。昨年末ヨーロッパで実車が披露されましたが、日本では初公開です。

 すでにご存知の方も多いと思いますが、2017年からWRカーには新規定が採用され、そのパフォーマンスが大きく向上する見込みです。吸入空気量を制限するエアリストリクター径はWRカー規定がスタートした1997年以来では最大となる36mmへ緩和されることから、最高出力が大幅に向上。2016年型マシンの平均的な出力とされる320ps程度から、一気に380psレベルへ。

 外観上ではボディに関する規定も大きく変わり、全幅の50mmワイド化やボディ前後オーバーハング部におけるエアロパーツの大型化なども認められ、エアロダイナミクスの強化も見所。マシンの最低重量規定も25kg引き下げられることから、動力性能・運動性能ともに飛躍を遂げたWRカーの走りが見られるはずです。

 GAZOO RacingスタンドにディスプレイされたヤリスWRCも、張り出したワイドフェンダー、大型ディフューザーやウイング、W翼断面のステーを備えた戦略的なサイドミラーなど、そのエクステリアはさながら現代のGr.Bマシンと言えるような大迫力の出で立ちでした。

 さてそんな2017年シーズンのWRC。頂点カテゴリーを争うのはトヨタ、シトロエン、Mスポーツ(フォード・フィエスタ)、ヒュンダイの4コンストラクター。開幕戦は1月19日にスタートするラリー・モンテカルロです。新規定によるパワーアップで高速化は間違いありませんが、新空力パーツの働きやタイヤのマッチングなど未知数も多いはずで、レギュレーション変更でどんなWRCへと変貌するのかは非常に気になるところ。ひとまずはJスポのオンデマンドで各ラリーを追っかけようと思っています!

トヨタのWRCヘリテイジも。一番手前はGr.B仕様のセリカ。TTEが開発を手がけたモデルで、世界一過酷なラリーとして名高いサファリラリーにおいて1984年から3年連続総合優勝の偉業を成し遂げた名車。