音楽

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 ミュンヘン・コンクールと言えば、ホルン演奏者にとって最難関の国際コンクールとして有名ですが、このコンクールを2010年に制したP.ヴォイタ(Přemysl Vojta)と、昨年の同大会で2位(1位無し)を獲得したK.ヤブルコヴァ(Kateřina Javůrková)という2名のソリストを含むシューマンのコンチェルトシュトゥックを聴きに行ってきました。

 この曲を知ったのは吹奏楽を始めた大学生の頃。しかし当時はCD音源を聴くだけですっかり満足してしまっていて、これまで生で聴いたことがなかったのです。で、曲後の感想はと言えば、

「コンチェルトシュトゥック、もっと早く聴きに行っとけばよかった!」

 これに尽きました……。学生時代、ホルン仲間の誰からともなくこの曲の存在を教えてもらったのですが、生で聴くコンチェルトシュトゥックがこれほど熱狂的なものだとは! 4名のソリストが全力を注ぎ吠えるホルン。その音が重なり合って震えるホールの空気に、もの凄く心を打たれてまいりました。

 今回の演奏はチェコ国立室内管弦楽団というオーケストラによるプログラムの中の一曲でした。他にベートーベンの7番なども演奏。こちらは1stをK.ヤブルコヴァが吹いていましたがもの凄い音圧でとてもかっこ良かったです。2本のハーモニーもとっても素敵で。ちなみに本日3日も午後2時からみなとみらいホールで同プログラムの演奏会があるようなので、もし時間と興味のある人はぜひ聴きにお出かけになってみてください。コンチェルトシュトゥック、凄い曲です。(今更)

久ぶりの投稿は趣味のホルンのお話です^^;

 先月、無事に所属している市民楽団の本番を終えることができました。

 9ヶ月ぶりに迎えた今回のステージでは、シベリウス交響曲第2番で2ndホルンを吹かせていただきました。交響曲作品の1パートを担当するのは全く初めての機会で大切な趣味の時間として大変良い経験となりました。

 演奏を通じ個人的に「良かったな」と感じたことは、譜面と指揮者についていけたこと。周囲を聞く余裕があったこと。ホルンにいろいろな音楽的な表現があることをシベリウスで学べたこと。そして何より、会場まで足を運んでいただいたのお客様にたくさんの拍手をいただけたことです。

 一方すっかり反省した点は、ハーモニーの中での役割と音程に対するイメージを完全に理解しきれなかったこと(特に第2楽章)、ダイナミクス(特に<>)表現があいまいとなってしまったこと、急楽章で慌ててしまったこと、そのほか技術的に及ばない点が多数あったこと……といったところです。

 そんなこんなな初シンフォニーでしたが、来年もホルンを抱えてひとつのステージに上がれれば何より。どんな曲でも楽しくチャレンジしたいと思います。

 昨年、学生の時以来久ぶりにホルンを再開しました。再開といっても、そもそも学生の頃にもわずか2年弱取り組んだことがあるに過ぎず、音の出し方も指使いも「……!?」な状態からのリスタートでしたが、そんな素人に微かな産毛が生えたかもしれない程度のホルン吹きの僕にも演奏の場の門戸を開いてくれる仏のような市民オーケストラを川崎市内に見つけまして、昨秋に入団しました。当時すでに3ヶ月後に迫っていた定期に向け全体合奏が進んでいるにも関わらず2ndホルンのアシスタントパートを用意してくださり、12月の定期演奏会で僕もステージを踏むことができたのでした。

 明けて2016年。9月に予定されている第14回定期演奏会に向けた取り組みが始まっています。曲目はガーシュインのラプソディ・イン・ブルーとシベリウスの交響曲第2番というプログラム。そして今回僕は、シベリウス2番の2ndパートを担当させていただくこととなりました。

 CMやテレビでも流れる機会が多くメロディーも知っているラプソディ・イン・ブルーに対し、シベリウスの曲は僕はほとんど聞いたことがなくこの2番も未知の曲。CDを買って聞いてみても最初は全然よくわからなかったのですが、最近になってとても綺麗で壮大な曲だなぁと感じてきています。練習時間と場所の制約はどうしても免れませんが、趣味のひとつとしてこの美しさと壮大さに少しでも近づけるよう本番を目指して楽しもうと思っています。

 子供の頃から音楽は好きでした。初めて音楽を美しいなと感じたのは、フルーティストの山形由美さんが登場していたCMでのフルートの音色でした。当時僕は小学生で確か1980年代の後半頃です。その後中学に入る頃にはJ-POPにどっぷりハマり(またもやTVの影響で今は悲しきチャゲアスに大ハマり……)ましたが、高校に入ると今度は急にピアノの音色に傾倒、家や学校の体育館のピアノを使って、ひとりショパンやジブリものの譜面にかじりついていたものです。

 大学では1年間はバスケサークルに入ったものの、昔憧れたフルートをやってみたくなり2年目に学内の吹奏楽サークルの門を叩きました。ですがフルートは人気楽器ですでに定員オーバー。そこで金管楽器のホルンに挑戦することになり、サークル卒会生の先輩の楽器をお借りしながら練習したものです。このサークルは2年ほどで辞めてしまいそれと同時に楽器も音楽の趣味も一切やめてしまいましたが、この大学サークル時代で特に吹奏楽や管弦楽、生で聴くコンサートの美しさが深く心に入ってくる経験をしたものです。

 仕事をするようになってからは音楽というものをほとんど聞くことがなくなり、ここ十年ほどはすっかり仕事と生活との間に特に音楽が入り込むことのない毎日で、本当に何年かに一度、忘れた頃にふと思い立って第九とか好きな交響曲のコンサートを聴きにいくくらいでした。

 音を楽しむ感覚を思い出したのは昨年の秋頃のこと。何気なくつけたNHKの番組でチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の演奏会がやっていて、これに一心に聴き入ってしまったのです。久しぶりに聴く旋律は耳慣れたものばかりでしたが、そのメロディや楽器のハーモニーの美しさに「素敵だな、音楽っていいな」という気持ちを急速に思い出すことになりました。

 そんなわけで、昨年来より久しぶりに生のコンサートを聴きに出かけるという趣味を再開。ついでに、十年以上物置の肥やしになっていた自分のホルンも引っ張り出してみたのですが……金管楽器特有の輝きはサビのため色褪せ、音を変えるためのレバーも同様にサビで動かなくなってしまっていました。そこで楽器もメンテナンスに出し、いつでも使えるように再生させました。久しぶりに音楽の楽しさを日々の妙薬に取り戻したのです。そんなわけで、そういった趣味の音楽のことについても、今後はブログで書いていこうかなと思っています。