子供の頃から音楽は好きでした。初めて音楽を美しいなと感じたのは、フルーティストの山形由美さんが登場していたCMでのフルートの音色でした。当時僕は小学生で確か1980年代の後半頃です。その後中学に入る頃にはJ-POPにどっぷりハマり(またもやTVの影響で今は悲しきチャゲアスに大ハマり……)ましたが、高校に入ると今度は急にピアノの音色に傾倒、家や学校の体育館のピアノを使って、ひとりショパンやジブリものの譜面にかじりついていたものです。
大学では1年間はバスケサークルに入ったものの、昔憧れたフルートをやってみたくなり2年目に学内の吹奏楽サークルの門を叩きました。ですがフルートは人気楽器ですでに定員オーバー。そこで金管楽器のホルンに挑戦することになり、サークル卒会生の先輩の楽器をお借りしながら練習したものです。このサークルは2年ほどで辞めてしまいそれと同時に楽器も音楽の趣味も一切やめてしまいましたが、この大学サークル時代で特に吹奏楽や管弦楽、生で聴くコンサートの美しさが深く心に入ってくる経験をしたものです。
仕事をするようになってからは音楽というものをほとんど聞くことがなくなり、ここ十年ほどはすっかり仕事と生活との間に特に音楽が入り込むことのない毎日で、本当に何年かに一度、忘れた頃にふと思い立って第九とか好きな交響曲のコンサートを聴きにいくくらいでした。
音を楽しむ感覚を思い出したのは昨年の秋頃のこと。何気なくつけたNHKの番組でチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の演奏会がやっていて、これに一心に聴き入ってしまったのです。久しぶりに聴く旋律は耳慣れたものばかりでしたが、そのメロディや楽器のハーモニーの美しさに「素敵だな、音楽っていいな」という気持ちを急速に思い出すことになりました。
そんなわけで、昨年来より久しぶりに生のコンサートを聴きに出かけるという趣味を再開。ついでに、十年以上物置の肥やしになっていた自分のホルンも引っ張り出してみたのですが……金管楽器特有の輝きはサビのため色褪せ、音を変えるためのレバーも同様にサビで動かなくなってしまっていました。そこで楽器もメンテナンスに出し、いつでも使えるように再生させました。久しぶりに音楽の楽しさを日々の妙薬に取り戻したのです。そんなわけで、そういった趣味の音楽のことについても、今後はブログで書いていこうかなと思っています。